悲しき玩具
(佐伯由布紀)
己の目で見て
己の肌で感じ
己の頭で考え
己の舌で喰らい
そして、己の心に聞け
(chin)
ガタガタガタ震えたまま 回り回る中止まったまま 何でかな?解らないまま抜け出せぬままでそのままで その手の中操られ 断ち切るなんて出来なくて 叶うわけない思いを馳せては また釣りまた釣られるだけ いつしか心を亡くして必死になってばれぬよう隠して 気付けば麻痺してそうやって何とか今を歩いてる 抜け出せなくなった迷子のよう 息が詰まりそうになるの嘲笑ってよこんなボクを このカナシクモオカシナ末路を…
(maa)
目を閉じ塞いだままで
手放した想いを心で叫んで
声は届かずに
凍て付いたまま
過ぎ去った時間は変わらないまま
そっと眠るだけ
(chin)
全てが終わったその瞬間 閉じ込められた無空間の中 自由は奪われたままで やがて、そのまま風化して消える 誰にも届かずに誰の目にも留まらずに 過ぎ去った時間は戻らずに 千々に散った願い叶わずに 深くて暗い底の中で ひたすらもがいて回ってみたって 脱け出すなんて出来なくて 一人きり取り残され さぁ、眠りましょう瞼を閉じて さぁ、塞ぎましょう耳を そうして幕を今下ろして この運命に今終わりを告げる…。
(maa)
光も届かない 心の穴の中
もがいても聞こえるのはこの鼓動だけ
同じ場所を周る汽車のオモチャの様に
悲しい音色だけがただ聞こえる…
目を閉じ塞いだままで
手放した想いを心で叫んで
声は届かずに
凍て付いたまま
過ぎ去った時間は変わらないまま
そっと眠るだけ
(佐伯由布紀)
己の目で見て
己の肌で感じ
己の頭で考え
己の心に聞け
いたく錆しピストル出でぬ
砂山の砂を指もて掘りてありしに
inpired by “一握の砂 悲しき玩具” 石川啄木